東大生の高校数学ブログ

高校数学の公式を覚えずに得意になるためのブログです

覚えなくていい「解の公式」

二次方程式の解の公式なんてものがあるけど、

x=\dfrac {-b\pm \sqrt {b^{2}-4ac}}{2a}

これは覚えなくていいというよりは、むしろ覚えないほうが楽かもしれない。


例えば、x^{2}+4x-3=0を解きたかったら、
x^{2}+4x-3=0
\Leftrightarrow \left( x+2\right) ^{2}=7
\Leftrightarrow x=-2\pm \sqrt {7}

でいいじゃん。という。

公式使うよりよっぽど速いし、暗算もしやすい。なにより答えに自信がもてる。


公式って「絶対に答えがもとまる」って意味で万能なだけで、「速く正確に求まる」ことは何も保証されてない。

だからどんな公式も、じぶんが使いやすい道具にしておく必要があるんだね。


たとえば、1.8×4.5を計算したかったとする。
小学校では「筆算」が万能だと習ったから、筆算で解こうとすると、割と時間かかるし計算ミスのリスクも増える。


でもこんなかけ算くらい、0.9×9=8.1としてしまえば一瞬で、正確にもとまってしまう。
(なにが起こったかわからないひとは、「倍して半分」という言葉をヒントに考えてみよう)

毎回毎回、筆算でやる必要はないんだね。


公式なんてものは考えるのを放棄したいときだけ使えばいいね。

覚えなくていい「数列の一般項」1

数列といったら、どうしても出てくる問題が「一般項」を求める問題。

そしてぜったい意味わからないのが「特性方程式」。そもそもどこから出てきたのかわからない。

ということで数列の一般項を、毎回毎回とくべつな知識にたよることなく解く方法をかいていきます。


はい、じゃあまず問題1。

a_{1}=1, a_{n+1}=a_{n}+1
のとき、数列\left\{ a_{n}\right\} の一般項は??


これはめちゃめちゃ簡単だね。

a_{n}=1+1+\ldots +1=n

で終わり。ただ出し続けていくだけ。

はいじゃあ問題2。

a_{1}=1, a_{n+1}=2a_{n}
のとき、数列\left\{ a_{n}\right\} の一般項は??


これもめちゃめちゃ簡単。

a_{n}=1×2×\ldots ×2=2^{n-1}

で終わり。ただかけ続けていくだけ。


じゃあ、
a_{1}=1, a_{n+1}=2a_{n}+1のときの一般項は??
と聞かれると急にちょーむずかしい。

もちらんトクセイホウテイシキとか知ってるしとならだれでも簡単に解けるんだろうけど、よく考えたらすごくむずい。


なぜか。



難しい、よくわからない問題に出くわしたときは、「なぜ難しいのか理由をかんがえる」ことで解決することがあるんだけど、まず今回は最初の2問が簡単だった理由を考えてみる。


よくみてみると、一問目は「ひたすら足し続けるだけ」。二問目は「ひたすら掛け続けるだけ」。という特徴がある。


そう!ぼくらは「同じことをし続ける」のはめっちゃ得意なのだ。

その代わり「別々のことを同時にやる」のは凄く苦手。


本題とは逸れるけど、この理由としては僕らの太陽系には、恒星がひとつしかないかららしい。

この宇宙の太陽系のなかで、恒星がひとつの太陽系と、恒星がふたつの太陽系の個数は1:1らしい!つまり連星のやつらは常にふたつの太陽のこと考えてるからめっちゃあたまいい!!



・・・ということは置いておいて、とにかく「別々のことを同時に処理する」のはとても不得意なのだ。平方完成しないと二次方程式が解けないのとおなじだね。


つまり何がいいたいかというと、


「足し続ける」もしくは「掛け続ける」カタチにしてしまえば勝ちなのだ!!



よしじゃあ実際にやってみよう!

a_{n+1}=2a_{n}+1

「足し続ける」カタチに変形したい。そうすると係数の2がジャマになるなあ。

ということで、なんとかしてa_{n+1}a_{n}の係数をそろえたい。


そのための必殺技が実はある。これだけは覚えたほうがいいと思う。


その必殺技とは、「両辺を2^{n+1}で割る」だ!

消したい係数の、n+1乗で割ってやればいい。すると、

\dfrac {a_{n+1}}{2^{n+1}}=\dfrac {a_{n}}{2^{n}}+\dfrac {1}{2^{n+1}}
となる。

これでb_{n+1}=b_{n}+\dfrac {1}{2^{n+1}}になったぞ!完成!

ちゃんと最後までやってみると、
\dfrac {a_{1}}{2^{1}}=\dfrac {1}{2}だから、
\dfrac {a_{n}}{2^{n}}=\dfrac {1}{2}+\dfrac {1}{2^{2}}+\ldots +\dfrac {1}{2^{n}}=1-\dfrac {1}{2^{n}}
\therefore a_{n}=2^{n}-1


最後の方の計算は次回でくわしく説明するとして、

「足し続けたい」ときには、「消したい係数の、n+1乗で割れ」ばいいのだ!


次に、a_{n+1}=2a_{n}+1「掛け続ける」ための方法を考えよう。

このときは、最後の1がジャマになる。これを消したい。

じゃあもしいま、初項はなんでもいいとしてc_{n+1}=2c_{n}+1という漸化式を満たす数列\left\{ c_{n}\right\} が見つかったとする。

a_{n+1}=2a_{n}+1
c_{n+1}=2c_{n}+1

上の式から下の式を引いてみよう。すると、

\left( a_{n+1}-c_{n+1}\right) =2\left( a_{n}-c_{n}\right) となる。

これは「掛け続けるカタチ」だ!

じゃあどうやってc_{n}を見つければいいんだろう?


・・・実をいうと、これは頑張って見つけるしかない。やり方とかは慣れみたいなもん。

でもそんな難しい問題はでないから大丈夫。

この問題の場合は、
c_{n+1}=2c_{n}+1とか書いてるくせに実は、c_{n}nに依らない定数cのときでも成り立ちそうなんだね。

実際に確かめてみると、
c=2c+1
\therefore c=-1
と簡単に求まる。

実をいうと、このc_{n+1}=2c_{n}+1ってやつが「特性方程式なんだね。大学入って微分方程式とか解くようになったらこいつは大活躍するよ。

この問題を最後まで解いてみると、

a_{1}+1=2
\left( a_{n+1}+1\right) =2\left( a_{n}+1\right)
より、
a_{n}+1=2^{n}
\therefore a_{n}=2^{n}-1

となる。

この例だけじゃ簡単で納得できないかもなので、次回また別の例でも説明します。
http://mynkit.hatenadiary.jp/entry/2016/09/15/145552





今日は甥っ子と遊んだせいか、口調がやさしい...

覚えなくていい「正弦定理」

ひさしぶりにベクトルと関係ないけど、これも頑張って覚える必要ないやつ。

そもそも正弦定理ってのは、三角形ABC外接円の半径がRのとき、

2R=\dfrac {a}{\sin A}=\dfrac {b}{\sin B}=\dfrac {c}{\sin C}
a=BC,b=CA,c=AB

が成り立つというもの。

この式も、あたりまえ。

線分BA'が直径となるように、点A'をとると、円周角の定理より、角A=A'。よって、

2R\sin A=BC

\therefore 2R=\dfrac {a}{\sin A}

同様にして、

2R=\dfrac {b}{\sin B}
2R=\dfrac {c}{\sin C}

も導ける。

というだけ。。

だから2R\sin A=BCの形で覚えてる方が覚えやすそう。


大事なのは、外接円なんか考えなくたって

\dfrac {a}{\sin A}=\dfrac {b}{\sin B}=\dfrac {c}{\sin C}

が成り立つということ。これは覚えたほうがいいというか、この形に近いものを見たときはビクッ!っと反応できたほうがいい。



ちなみに円周角の定理ってあたりまえのように使ったけど証明できる??かな?


円に内接する三角形ABCの、辺ABを固定することにすると、三角形ABCの形は次の2通りが考えられる。


どちらの場合も

\angle BAC=\dfrac {1}{2}×\angle BOC

となるから、点Aがどこにいようが、これは常に成り立つ。

よって\angle BACは一定。

というだけ。意外としらないひと多そう。

覚えなくていい「円の接線の方程式」

覚えなくていい「ベクトル」2(内積) - 算数は得意なのに数学が苦手なひとのためのブログのつづきです!つまり、内積のおはなし。

\left( x-a\right) ^{2}+\left( y-b\right) ^{2}=r^{2}
上の点\left( x_{1},y_{1}\right) における接線の式は、

\left( x_{1}-a\right) \left( x-a\right)+\left( y_{1}-a\right) \left( y-a\right)=r^{2}

っていうキレイな式になる、っていうのはめちゃくちゃ覚えやすい。


けど、キレイだからこそ、当たり前に見えないともったいない!!


ということで一瞬で示します。

上図のように、接線l上の点はすべて

\overrightarrow {AB}\cdot \overrightarrow {AX}=AB×(\overrightarrow {AX}の\overrightarrow {AB}方向への貢献度)
=r^{2}

を満たす。ということで、接線上の点\left( x,y\right) はすべて

\left( x_{1}-a\right) \left( x-a\right)+\left( y_{1}-a\right) \left( y-a\right)=r^{2}

を満たす。で終わり!以上!めちゃ簡単!

覚えなくていい「点と直線のキョリ」

点と直線のキョリは

\dfrac {\left| ax_{1}+by_{1}+c\right| }{\sqrt {a^{2}+b^{2}}}

みたいに教わると思うけど・・


覚えづらい!


ということで、忘れてもいいように一瞬で作ろう!使うのは覚えなくていい「直線の方程式」 - 算数は得意なのに数学が苦手なひとのためのブログを知ってれば特にこれといったものはないです。


まず、

ax+by+c=0の法線ベクトルは \left(     \begin{array}{c}       a  \\       b       \end{array}   \right)だから、

図のとおり、
 \left(     \begin{array}{c}       x_{1}  \\ y_{1}             \end{array}   \right)+   k\left(     \begin{array}{c}       a  \\       b       \end{array}   \right)つまり

\left( x_{1}+ka,y+kb\right) が、直線ax+by+c=0上にあればいい。


ということは

a\left( x_{1}+ka\right) +b\left( y+kb\right) +c=0
\therefore k=-\dfrac {ax_{1}+by_{1}+c }{a^{2}+b^{2}}


いま知りたい、点と直線のキョリはk   \left(     \begin{array}{c}       a  \\       b       \end{array}   \right)の大きさ、

つまり\left| k \right|× \left|        \begin{array}{c}       a  \\       b       \end{array}    \right|だから

\dfrac {\left| ax_{1}+by_{1}+c\right| }{a^{2}+b^{2}} ×\sqrt {a^{2}+b^{2}}

=\dfrac {\left| ax_{1}+by_{1}+c\right| }{\sqrt {a^{2}+b^{2}}}

で終わり。

ここまで慣れれば20秒!だからすぐつくれるね!


覚えなくていい「平面の方程式」

覚えなくていい「直線の方程式」 - 算数は得意なのに数学が苦手なひとのためのブログ
のつづき!

平面の方程式もax+by+cz=dみたいな感じだけど

a\left( x-x_{1}\right)+b\left( y-y_{1}\right) +c\left( z-z_{1}\right) =0

で覚えたほうがいい。

法線ベクトルが \left(     \begin{array}{c}       a  \\       b  \\       c     \end{array}   \right)で、点\left( x_{1},y_{1},z_{1}\right) を通る直線てこと。

これも直線のときと同じで

方向ベクトル   \left(     \begin{array}{c}       a  \\       b  \\       c     \end{array}   \right)と、平面S上のベクトルは全て垂直だから

    \left(     \begin{array}{c}       a  \\       b  \\ c     \end{array}   \right) \cdot      \left(  \left(  \begin{array}{c}       x  \\        y   \\z\end{array}   \right)-\left(  \begin{array}{c}       x_{1}  \\        y_{1}  \\ z_{1} \end{array}   \right) \right)=0 \

    \left(     \begin{array}{c}       a  \\       b \\ c      \end{array}   \right) \cdot      \left(     \begin{array}{c}       x-x_{1}  \\        y-y_{1}  \\ z-z{1} \end{array}   \right)=0 \

というだけ。

平面の方程式習わない学校もあるかもだけど直線の方程式知ってるのにこっち知らないってのはなんかヘンだなあ

覚えなくていい「直線の方程式」

覚えなくていい「ベクトル」2(内積) - 算数は得意なのに数学が苦手なひとのためのブログ
続きですよ!

直線の方程式っていうと

最初 y=ax+b

って習うのに


なぜか途中で


ax+by+c=0


っていう式を習う。。最初習ったときは、

aは傾き
bはy切片

て習ったのに、なんでまた新しいの覚えなきゃいけないんだろう・・ってなるひともいるはず。


まずこれを習う理由は2つあって

1つは、直線の一般式って言われてるはずなのに

x=0みたいなy軸と平行な直線は傾きが存在しないから表せないんだね


もう1つは、

y切片ってそんなに大事な情報か??」

てこと。


日常生活してても、

「家から、東に徒歩3分」

ってことは言っても、y的なこと考える機会ってxy平面を考える数学の問題でしかない


これに似た話を覚えなくていい「ベクトル」2(内積) - 算数は得意なのに数学が苦手なひとのためのブログでしたと思うんだけど、


ということは

ax+by+c=0はベクトルの話とつながってるはずだ!


教科書ではax+by+c=0で習うけど、本当の一般形は


a\left( x-x_{1}\right) +b\left( y-y_{1}\right) =0


ただc=-\left( ax_{1}+by_{1}\right) ってなっただけ



これを当たり前に思うのも簡単で、

方向ベクトル \left(     \begin{array}{c}       a  \\       b       \end{array}   \right)と、直線l(直線上のベクトル全て)は垂直だから、


直線l上の点(x, y)は常に

    \left(     \begin{array}{c}       a  \\       b       \end{array}   \right) \cdot      \left(  \left(  \begin{array}{c}       x  \\        y   \end{array}   \right)-\left(  \begin{array}{c}       x_{1}  \\        y_{1}   \end{array}   \right) \right)=0 \

    \left(     \begin{array}{c}       a  \\       b       \end{array}   \right) \cdot      \left(     \begin{array}{c}       x-x_{1}  \\        y-y_{1}   \end{array}   \right)=0 \

が成り立つ。つまりこれが直線の式そのもの!


この式の形にすれば、


   \left(     \begin{array}{c}       a  \\       b     \end{array}   \right)が直線の法線ベクトル(直線に垂直なベクトル)
で、この直線は\left( x_{1},y_{1}\right) を通る。

ってだけのこと!



だから
「傾き2\left( 2,3\right) を通る直線」って言われたら一瞬で

y-3=2\left( x-2\right)

って答えればいいし、

「法線ベクトルが \left(     \begin{array}{c}       3  \\       -1    \end{array}   \right)で、\left( 4,1\right) を通る直線」って言われたら

3\left( x-4\right) -\left( y-1\right) =0

って即答すればいい。形はこのままの形が一番分かりやすいんだから、別にここから変形して答える必要もない。


平面の方程式もまったく同じだから次かきますね