東大生の高校数学ブログ

高校数学の公式を覚えずに得意になるためのブログです

覚えなくていい「約数の個数・総和」

例えば480の約数の個数はなんだろう?

480=1×480
  =2×240
  =3×160
  =4×120
  =5×96
  =6×80
  =8×60
  =10×48
  =12×40
  =15×32
  =16×30
  =20×24
ということで、約数は24個だね。

ただこんなの毎回やるのは面倒だし数え間違いをしそう。。

なのでおそらく学校で素因数分解で数える方法を習うんだね。
480素因数分解すると、

480=2^{5}×3^{1}×5^{1}

だから、実は約数の個数は
\left( 5+1\right) ×\left( 1+1\right) ×\left( 1+1\right)=24個
みたいな感じで求まってしまう。

そんなの覚えてるよ!って人もいるかもだけど、じゃあ約数全部の和はわかるかな??

っていうと大変だなぁと思うか、やったけど忘れた!って人が割といると思う。


そんなとき、約数の個数がなんで\left( 5+1\right) ×\left( 1+1\right) ×\left( 1+1\right)でいいのか、ちゃんと考えてみよう!

たとえば上の例だと、


480=2^{5}×3^{1}×5^{1}

のように、
2^{0}~2^{5}の6つからどれか1つ、
3^{0}~3^{1}の2つからどれか1つ、
5^{0}~5^{1}の2つからどれか1つ

選んで掛けることによって約数が1つできる。したがって、3つの選び方は
6×2×2=24通り
あるから、約数の個数は24

となる。

こんな感じ!!つまり
べき指数(a^{x}xの部分)+1
同士を掛ければいい
んだね!



じゃあこの考え方で約数の総和を考えたらどうなるだろう?
普通に書き出してみると、

2^{0}\cdot3^{0}\cdot5^{0}+2^{0}\cdot3^{0}\cdot5^{1}+2^{0}\cdot3^{1}\cdot5^{0}+2^{0}\cdot3^{1}\cdot5^{1}+
2^{1}\cdot3^{0}\cdot5^{0}+2^{1}\cdot3^{0}\cdot5^{1}+2^{1}\cdot3^{1}\cdot5^{0}+2^{1}\cdot3^{1}\cdot5^{1}+
2^{2}\cdot3^{0}\cdot5^{0}+2^{2}\cdot3^{0}\cdot5^{1}+2^{2}\cdot3^{1}\cdot5^{0}+2^{2}\cdot3^{1}\cdot5^{1}+
2^{3}\cdot3^{0}\cdot5^{0}+2^{3}\cdot3^{0}\cdot5^{1}+2^{3}\cdot3^{1}\cdot5^{0}+2^{3}\cdot3^{1}\cdot5^{1}+
2^{4}\cdot3^{0}\cdot5^{0}+2^{4}\cdot3^{0}\cdot5^{1}+2^{4}\cdot3^{1}\cdot5^{0}+2^{4}\cdot3^{1}\cdot5^{1}+
2^{5}\cdot3^{0}\cdot5^{0}+2^{5}\cdot3^{0}\cdot5^{1}+2^{5}\cdot3^{1}\cdot5^{0}+2^{5}\cdot3^{1}\cdot5^{1}
=\left(\sum ^{5}_{k=0}2^{k} \right)\left(3^{0}\cdot5^{0} +3^{0}\cdot5^{1}+3^{1}\cdot5^{0}+3^{1}\cdot5^{1}\right)
=\left(\sum ^{5}_{k=0}2^{k} \right)\left(3^{0}\cdot\left(5^{0} +5^{1}\right) +3^{1}\ \cdot\left(5^{0} +5^{1}\right)\right)
=\left( \sum ^{5}_{k=0}2^{k}\right)\cdot\left( \sum ^{1}_{k=0}3^{k}\right)\cdot\left( \sum ^{1}_{k=0}5^{k}\right)

となる。

つまり、
2の要素の和,3の要素の和,5の要素の和
を掛けてあげるだけでいい
んだ!

つまりこの場合だと
63+4+6=73
となるんだね。



ほかの例でもやってみよう。

360の約数の個数と、その総和は?」

まず素因数分解すれば、
360=2^{3}\cdot3^{2}\cdot5^{1}
だから、約数の個数は
4\cdot3\cdot2=24個。
約数の総和は、
\left(1+2+4+8\right)\left( 1+3\right)\left( 1+5\right)
=15\cdot4\cdot6=360
となる。

知ってれば簡単だけど、いつ忘れてもいいように納得感もってたほうが安心だね。