東大生の高校数学ブログ

高校数学の公式を覚えずに得意になるためのブログです

覚えなくていい「ベクトル」2(内積)

覚えなくていい「ベクトル」 - 算数は得意なのに数学が苦手なひとのためのブログ
前回からの続きです。


ベクトルの内積って習いました?あんまし印象のこってない?


じゃあ、

    \left(     \begin{array}{c}       a  \\       b       \end{array}   \right) \cdot      \left(     \begin{array}{c}       c  \\       d       \end{array}   \right) =
ac+bd  \

はわかるかな??



分かるっていうのは、知ってるし、しかも当たり前だって思えていること。



っていうとハードル高いか。


そもそも内積ってただのかけ算だからね。


正確にいうと、「同じ方向で考えたときの長さのかけ算」



「長さ×長さ×\cos \theta

なんて覚えてるとあんまし役に立たないかも。間違いじゃないけど。



たとえばコレ。



\overrightarrow {OA} \cdot \overrightarrow {OB}はなんですかー?って聞かれたら


即答で

8×5=40

要するに、内積をしたかったら、


どちらかのベクトルを基準にして、その方向に進んでいる長さ達を掛けてあげる



今回の場合は\overrightarrow {OA}を基準にしてあげて、\overrightarrow {OB}\overrightarrow {OA}(長さ8)方向に5だけ進んでるから、

8×5で瞬殺。


わかりにくかったら、「貢献度」で考えてみよう。



結局内積によって何がわかるかっていうと、基準(ここでは\overrightarrow {OA})に対しての貢献度なんだね。


たとえば文化祭で、クラスで出し物をするとしよう。たとえば出し物が多数決でお化け屋敷をすることに決まったとする。

じゃあみんなでお化け屋敷がんばろう!ってなってるときに


・お化け屋敷なんてくだらないものやりたくない!っていってなにもしてないやつは、貢献度0
これは当たり前で、何もしてないから。

・お化け屋敷もいいけど僕は焼きそばを焼くぞ〜!って子は、どれだけ頑張っても貢献度0。お化け屋敷に関係ないからね。ベクトルだとこれは直角だね

・お化け屋敷なんて断固反対だ!ベニヤ板すべて破壊する!っていう過激派は、貢献どころか企画が進まないようにがんばるから、貢献度は-(マイナス)



というかんじ。つまり、

基準のベクトルに対して、貢献してる長さを掛けてあげればいいんだね



じゃあ   \left(     \begin{array}{c}       a  \\       b       \end{array}   \right)   \left(     \begin{array}{c}       c  \\       d      \end{array}   \right)内積がなんで
ac×bd
になるのかって話だけど。


   \left(     \begin{array}{c}       a  \\       b       \end{array}   \right) = a   \left(     \begin{array}{c}       1  \\       0  \end{array}   \right)+b   \left(     \begin{array}{c}       0  \\       1       \end{array}   \right)

   \left(     \begin{array}{c}       c  \\       d       \end{array}   \right) = c   \left(     \begin{array}{c}       1  \\       0  \end{array}   \right)+d   \left(     \begin{array}{c}       0  \\       1       \end{array}   \right)


ってわかりやすく分解してみて、内積の分配法則つかってかけ算してみれば一瞬でわかるよ。(いちおう内積の証明)

ベクトルはよくわかんないときは成分を分解してみるのが正解。



いちおうちゃんと書いときますね。


 \overrightarrow {e_{1}}=  \left(     \begin{array}{c}       1  \\       0      \end{array}   \right)

 \overrightarrow {e_{2}}=  \left(     \begin{array}{c}       0  \\       1      \end{array}   \right)


って置いとくと(ブログで数式かきやすいように置いただけで大した意味はないです)

\overrightarrow {e_{1}} \cdot \overrightarrow {e_{1}}=1 (平行だから1×1)
\overrightarrow {e_{2}} \cdot \overrightarrow {e_{2}}=1
\overrightarrow {e_{1}} \cdot \overrightarrow {e_{2}}=0 (直交だから0)

だから、

\left( a\overrightarrow {e_{1}}+b\overrightarrow {e_{2}}\right) \cdot \left( c\overrightarrow {e_{1}}+d\overrightarrow {e_{2}}\right)
=ac+cd

でおわり。当たり前でしたね。