覚えなくていい「必要・十分条件」
中学受験の算数で身につくチカラって、図形把握力とか図をかく力とか発想力とかだと思う。
それとは違って、大学受験の数学でつくチカラは、発想力とかよりは「論理的思考力」だと思う。
算数では発想そのものを教わったりするけど、数学は論理が大事で、「なんとなくの感覚」すらがんばって言語化して論理で説明することが求められる。
おそらく「オトナ」として当たり前に必要なめちゃめちゃ大事な力だけど、割と苦手なひとがいて避けて通りがち
ということで、論理とかの分野の代表の「必要・十分条件」だけど
これって一度納得してしまえば、そんな難しいもんじゃない。
母校の男子校、栄光を例にとって考えてみよう。(もっと有名な開成とかにしようとおもったけどなんか使うのがおこがましかった笑)
まずこの文章はただしいだろうか?
「栄光生ならば、男である」
当たり前だけど、これは正しい。男子校な時点で、悲しいことに生徒は全員男。
こんな文章のように、「真」か「偽」で答えられる文章のことを「命題」っていう。知ってるだろうけどいちおう。
この文章は正しいから「真」だね。
ここまではつまづく人あんましいないと思う。
ただ、
「じゃあ、栄光生であることは男であるための何条件か?」
みたいな聞かれ方をしたらすこし困るひとが多いと思う。
日本語で説明すれば、
「栄光生であるためには、少なくとも男であることが必要」だから
「男であることは栄光生であるための必要条件」
てことで、
「男であることを証明するためには、栄光生だよ!っていえば十分」だから
「男であるためには、栄光生であれば十分」つまり、
「栄光生であることは男であるための十分条件」
ということなんだけど、毎回こんなかんじで考えるのは大変そう..
てことで図を書いてみた。
さっきの命題みたいに、十分条件か必要条件かみたいな質問されたらこの図をかけばいい。
この図はなにをいってるかというと、それぞれの個数などを比較したときに、デカいほうが男、小さいほうが栄光生。
つまり、「小さい方」⇒「デカい方」っていえる。
なんで多い少ないじゃなくて、デカい小さいって言い方をしたかというと、
こんなときは偶数の方が多くても、
「3の倍数ならば偶数である」なんていえないからだね。小さい方が、大きい方に完全に包括されてないとダメ。
つまり、必要・十分系の問題はまずベン図を書いてみればいい。
それで包括関係がなかったら、「必要条件でも十分条件でもない」って答えればいいし、全く同じ円になったら「必要十分条件である」でいい。
主語がデカい方だったら必要条件。
主語が小さい方だったら十分条件。
たとえば。
「6の倍数であることは、偶数であるための何条件か?」
と聞かれたら、まずベン図をかいて
6の倍数は「栄光生」とわかるから、答えは「十分条件」
じゃあ、
「奇数は素数であるための何条件か?」
これもベン図を書いてみると
必要条件かな?っておもったひともいるかもしれない。
でも素数には奇数じゃないも含まれるから、包括関係じゃなくなる。ということで、「必要条件でも十分条件でもない」
てことでめちゃ簡単になる。
ちなみに必要・十分条件がわかってると、
の解が、
だから
だーっ!
ってやったらアウト!
元の式に代入して確かめなきゃいけないかってことがわかる。
というかそもそも同値変形をしていけば最後に確認なんてめんどくさいことしなくても済む・・・
ということを次書きます!