東大生の高校数学ブログ

高校数学の公式を覚えずに得意になるためのブログです

覚えなくていい「等差数列の和」

突然だけど、

\left( \sum ^{n}_{k=1}k\right) =\dfrac {n\left( n+1\right) }{2}

みたいに習いませんでした??

じゃあもし、
\left( \sum ^{n}_{k=11}k\right)を計算してくださいと言われたらどうしようか?

少し賢いひとなら、
\left( \sum ^{n}_{k=1}k\right)-\left( \sum ^{10}_{k=1}k\right)=\dfrac {n\left( n+1\right) }{2}-\dfrac {10\cdot11 }{2}

ってやるだろうね。

でもどうだろう??そもそも\left( \sum ^{n}_{k=11}k\right)って
11+12+\ldots +nっていうただのn-10個の連続した数の和だよね??


じゃあいきなり
\dfrac {\left( n+11\right) \left( n-10\right) }{2}
って計算すればいんじゃないの??


そう、等差数列の和は
\dfrac {\left( 初項+最後の項\right) ×個数 }{2}
で求まる!


理由は簡単。たとえば10から20まで足すこと考えると、
10+11+12+\ldots +18+19+20・・・①
20+19+18+\ldots +12+11+10・・・②
こいつらをタテに足してあげれば
30+30+30+\ldots +30+30+30
で、\left( 10+20\right) ×11=330となる。

①と②で同じ式を2個出しちゃったから、最後に2で割ればいい。

というだけ。

さっきも書いた通り、どうせ覚えるんだったら
\dfrac {\left( 初項+最後の項\right) ×個数 }{2}
で覚えたほうがいい!


そもそも\Sigma 記号ってなんで使うかっていうと、

・長い数式を短く正確に表現するため
・「\ldots 」とか曖昧な記号を使いたくないから

という理由で、べつに計算しやすくするための記号ではないのだ。


ということで、\Sigma 記号で書いてあっても基本的には展開した状態で考えた方がわかりやすい。

ちなみに\Sigma の意味だけど

\left( \sum ^{b}_{k=a}f\left( k\right) \right)
は、
k=a,k=a+1,k=a+2,\ldots ,k=bを順にf\left( k\right) に代入していって足しあわせる、
ということ。

つまり、もしこんな問題が出てきたら

\left( \sum ^{N}_{k=1}n\right) =?

k=1,k=2,k=3,\ldots ,k=Nを順にnに代入したところで、nnのままだから、

n+n+n+\ldots +n=Nn

になります。という感じ。ちゃんと記号の意味を考えて、だまされないようにしよう。