東大生の高校数学ブログ

高校数学の公式を覚えずに得意になるためのブログです

覚えなくていい「数列の一般項」1

数列といったら、どうしても出てくる問題が「一般項」を求める問題。

そしてぜったい意味わからないのが「特性方程式」。そもそもどこから出てきたのかわからない。

ということで数列の一般項を、毎回毎回とくべつな知識にたよることなく解く方法をかいていきます。


はい、じゃあまず問題1。

a_{1}=1, a_{n+1}=a_{n}+1
のとき、数列\left\{ a_{n}\right\} の一般項は??


これはめちゃめちゃ簡単だね。

a_{n}=1+1+\ldots +1=n

で終わり。ただ出し続けていくだけ。

はいじゃあ問題2。

a_{1}=1, a_{n+1}=2a_{n}
のとき、数列\left\{ a_{n}\right\} の一般項は??


これもめちゃめちゃ簡単。

a_{n}=1×2×\ldots ×2=2^{n-1}

で終わり。ただかけ続けていくだけ。


じゃあ、
a_{1}=1, a_{n+1}=2a_{n}+1のときの一般項は??
と聞かれると急にちょーむずかしい。

もちらんトクセイホウテイシキとか知ってるしとならだれでも簡単に解けるんだろうけど、よく考えたらすごくむずい。


なぜか。



難しい、よくわからない問題に出くわしたときは、「なぜ難しいのか理由をかんがえる」ことで解決することがあるんだけど、まず今回は最初の2問が簡単だった理由を考えてみる。


よくみてみると、一問目は「ひたすら足し続けるだけ」。二問目は「ひたすら掛け続けるだけ」。という特徴がある。


そう!ぼくらは「同じことをし続ける」のはめっちゃ得意なのだ。

その代わり「別々のことを同時にやる」のは凄く苦手。


本題とは逸れるけど、この理由としては僕らの太陽系には、恒星がひとつしかないかららしい。

この宇宙の太陽系のなかで、恒星がひとつの太陽系と、恒星がふたつの太陽系の個数は1:1らしい!つまり連星のやつらは常にふたつの太陽のこと考えてるからめっちゃあたまいい!!



・・・ということは置いておいて、とにかく「別々のことを同時に処理する」のはとても不得意なのだ。平方完成しないと二次方程式が解けないのとおなじだね。


つまり何がいいたいかというと、


「足し続ける」もしくは「掛け続ける」カタチにしてしまえば勝ちなのだ!!



よしじゃあ実際にやってみよう!

a_{n+1}=2a_{n}+1

「足し続ける」カタチに変形したい。そうすると係数の2がジャマになるなあ。

ということで、なんとかしてa_{n+1}a_{n}の係数をそろえたい。


そのための必殺技が実はある。これだけは覚えたほうがいいと思う。


その必殺技とは、「両辺を2^{n+1}で割る」だ!

消したい係数の、n+1乗で割ってやればいい。すると、

\dfrac {a_{n+1}}{2^{n+1}}=\dfrac {a_{n}}{2^{n}}+\dfrac {1}{2^{n+1}}
となる。

これでb_{n+1}=b_{n}+\dfrac {1}{2^{n+1}}になったぞ!完成!

ちゃんと最後までやってみると、
\dfrac {a_{1}}{2^{1}}=\dfrac {1}{2}だから、
\dfrac {a_{n}}{2^{n}}=\dfrac {1}{2}+\dfrac {1}{2^{2}}+\ldots +\dfrac {1}{2^{n}}=1-\dfrac {1}{2^{n}}
\therefore a_{n}=2^{n}-1


最後の方の計算は次回でくわしく説明するとして、

「足し続けたい」ときには、「消したい係数の、n+1乗で割れ」ばいいのだ!


次に、a_{n+1}=2a_{n}+1「掛け続ける」ための方法を考えよう。

このときは、最後の1がジャマになる。これを消したい。

じゃあもしいま、初項はなんでもいいとしてc_{n+1}=2c_{n}+1という漸化式を満たす数列\left\{ c_{n}\right\} が見つかったとする。

a_{n+1}=2a_{n}+1
c_{n+1}=2c_{n}+1

上の式から下の式を引いてみよう。すると、

\left( a_{n+1}-c_{n+1}\right) =2\left( a_{n}-c_{n}\right) となる。

これは「掛け続けるカタチ」だ!

じゃあどうやってc_{n}を見つければいいんだろう?


・・・実をいうと、これは頑張って見つけるしかない。やり方とかは慣れみたいなもん。

でもそんな難しい問題はでないから大丈夫。

この問題の場合は、
c_{n+1}=2c_{n}+1とか書いてるくせに実は、c_{n}nに依らない定数cのときでも成り立ちそうなんだね。

実際に確かめてみると、
c=2c+1
\therefore c=-1
と簡単に求まる。

実をいうと、このc_{n+1}=2c_{n}+1ってやつが「特性方程式なんだね。大学入って微分方程式とか解くようになったらこいつは大活躍するよ。

この問題を最後まで解いてみると、

a_{1}+1=2
\left( a_{n+1}+1\right) =2\left( a_{n}+1\right)
より、
a_{n}+1=2^{n}
\therefore a_{n}=2^{n}-1

となる。

この例だけじゃ簡単で納得できないかもなので、次回また別の例でも説明します。
http://mynkit.hatenadiary.jp/entry/2016/09/15/145552





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